盗用・引用・模倣とデザインについて

佐野研二郎デザインのオリンピックエンブレム撤回の件を受けて、デザインとは何かを考える一個人としての自分の考え方の一部を書いたので掲載しておきます。

 

そして今現在、MR_DESIGN公式webサイトには、作品もデザイナー自身の紹介もなく、次の言葉だけが貼りだされている。

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デザイナーとして第一線で活躍してきて、確かに心に響く作品やメッセージを発信してくれていた佐野研二郎という人を、僕は尊敬している。

何もかもクライアントの言う通りにするのがデザイナーではない

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何もかもをクライアントの言う通りにアウトプットするのがデザイナーではない。

昔から、見る人が満足するデザインをするのが良いデザイナーだ、という考え方に納得がいかないのだ。誤解を恐れずに言えばそれはデザイナーがデザインを放棄することに近い。デザインはデザイナーの意志であり、デザイナーはこの世に意志を描き出すのが仕事だ。「見る人を満足させ、尚且つそこに意志と未来を描き出すのが真のデザイナーだ!」と多くのデザイナーは言うだろうけれど、それは叶わない理想だ。

なぜなら、クライアントが常に正しい目を持ちデザインの良し悪しを判断できるとは限らないからだ。そのデザインによって人の暮らしがどうなるか、世の中はどう変わるのか。そういう事を考える専門家がデザイナーなのだ。そしてこの専門的思考は「生活者目線」のそれとは全く異なり、普通に生活していて身に付くものではない。「クライアントや消費者の意見」と「専門家の意見」を混同してはいけない。決して「言われた通りに作ること」がデザイナーの仕事ではないのだ。デザインはクライアントや消費者に任せるには重要過ぎる。歴史や経験の上にある専門家の判断を信じても良いのではないだろうか。


2020年東京五輪に向けて新国立競技場やエンブレムのデザインが決まったり決まらなかったりしているが、これらに関して、異常なまでのデザイナー叩きが本当に悲しく、つらい。デザイナーとノンデザイナーの間に大きな溝が出来ているのを目の当たりにしながら、これからのデザインの在り方を想っている。

糧。

ふとmixiを見ると高校生ぐらいの自分の言葉にものすごく励まされたりする。

若い自分が持っていた無知で澄んだ意志や無謀で無邪気な人生観は今となっては眩しいばかりで、いつの間にこんなにオトナになってしまったんだろうと思う。所謂社会に揉まれるうちに少しずつ自分の言葉を自分の中だけに留めるようになって、それがいつの間にか自分の意志を抑圧してたのだろうと、今日、ふと気がついた。
このところなんだか生気のない日々を送っていた。失敗しないように、安全に暮らせるように。早く帰ってゆっくり休もう、なんて。限界を超えない様に慎重に、慎重に。
あの頃どうやって頑張ってたかな、なんて思いながら歩いてると、そういえば自分で書いた言葉に励まされてたな、と思い出したのだった。「負けんな」「負けるか」と。大学で頑張ってた自分はそんな言葉を頼りに全速力で走り続けたのだった。
自分自身を勇気づけるために、止まらず前へ進むために、あらためてくだらない日記でも書きながら自分の言葉を書こうと思った。見苦しく情けない自分の言葉でも、恥など捨てて前へ進む努力をしよう。言葉を糧に、好きな人と好きな事を。

やってることとやりたいこと。

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目的地が無数にある場合と、一つの目的地を目指す場合の図。一つの大きな目標を決めて置いた方が短時間で効果的に良いアプローチができる。デザイン会社の仕事は上の図の状態から始まりがちだが、果たしてそれでいいのか。時間と効果とストレスの掛かり方を考える。

好きな人と、好きなものを。

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壊れててしまったHDDから、古い写真を復元した。

あの頃わけもわからずとにかく手を動かして、夜を越えて朝を迎えたあの日が懐かしくて恋しくもある。好きな人と好きなものをつくっていたい。

グラスホッパー

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勉強会に行ってきた。学生時代からライノセラスは使ってるけど、グラスホッパーは初めて。ライノセラスのライセンス持ってたら無料でグラスホッパー使える事も知らなかった。使えたら面白そうだから、遊んで覚えたい。使いこなせばハイエンドCADに負けないんじゃないかと思う。デザインを仕事としてやる時に、オペレーションは楽しいと思う。データを扱う作業が好きなのかもしれない。そういえば10年程前、手相を見てもらって「数字に強い」なんて言われた事を思い出してしまった。今の今まで忘れてたくらいだからあまり信憑性はないな。

デジタルファブリケーションはこれからもっと伸びていく。この分野でどんなビジネスができるか考えたい。

最後に、推薦書買ったら良かったのでライノ使いの人へ僕からも薦めたい。

Rhinoceros+Grasshopper建築デザイン実践ハンドブック (建築文化シナジー)

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